低酸素脳症の症状と治療

低酸素脳症の治療

 

低酸素脳症を治療する手段として、単に血圧を維持することだけでは、患者の生存率を上げたり社会復帰できるまで回復する可能性は低いようです。そこでは全身の臓器から末梢組織までの血流を維持することが大切になります。

 

さらに心停止蘇生後脳症患者では,侵襲性高血糖や代謝亢進によって引き起こされる高体温が発生することが多く、これらの高血糖や高体温は脳神経の損傷を悪化させる重大な要因ともなります。

 

したがって、これらを防止し管理するとともに、適切な呼吸循環管理によって、二次性脳障害を最小限にとどめることが大切なことになるのです。現在では、心停止した後に心機能が回復した後も昏睡状態が続く患者の場合、脳低温療法という治療を施すことによって、本来の脳機能が回復する可能性があることも報告されています。

 

一方、低酸素脳症の後遺症は、特に運動機能に関して現れることが多くみられます。その場合には、治療としてのリハビリテーションが行われるのが一般的です。よく行なわれるリハビリテーションは、理学療法士の指導の下で、ポールにつかまって歩行訓練をしたりボールを転がしたりするものです。

 

また、食べ物がうまく飲み込めなかったりする場合も多々あるため、喉を詰まらないような柔らかいものを通常の食事に与えるようにしたり、痰などが上手に排出できない場合には介助者が吐き出させるようなケアをすることが求められます。